身長、背の高さを決める遺伝子

背の高さを決める遺伝子

背の高さは約8割が遺伝要因と言われていますが、ヒトの身長は1つの遺伝子で決まるわけではなく、複数の遺伝子の影響を受けています。2014年には、アメリカやイギリスなどの国際研究グループが、697個もの身長と強く関連する遺伝子を同定したと、nature genetics で発表しました。しかし、これだけの遺伝子でも身長の個人差の約16％しか説明できないそうです。身長は最も身近な遺伝の例ですが、まだまだ分かっていないことが多いようです。

Nature Genetics 46, 1173-1186 (2014)
Defining the role of common variation in the genomic and biological architecture of adult human height
（日本語要約）

身長に影響を与える遺伝子の染色体上の大まかな位置

男女の身長差を生む遺伝子

性染色体の上にも、身長に影響を与える遺伝子があります。その中で、男女の身長差の原因になっているのではないかと考えられている遺伝子の1つに、「Y成長遺伝子」というものがあります。女性でありながら、Y染色体をもつアンドロゲン不応症の患者と通常のX染色体をもつ女性との間には約9cmの身長差がみられるそうで、その要因となっている遺伝子がY染色体の「Y成長遺伝子」ではないかと推測されています。しかしこれまでのところ、Y成長遺伝子の大まかな位置は分かっているそうですが、その塩基配列やどのような働きをしているのかについては、不明だそうです。